バイオマス燃料の
サステナブル調達方針

レノバが営む再生可能エネルギー事業では、「地球環境」とともに、「地域社会」を非常に重視しています。バイオマス発電事業においても、自然環境の保全に配慮し、気候変動の緩和に貢献する事業を構築していきます。さらに、地域社会との共生や事業を通した新しい価値の創造、そして新たなサプライチェーンの構築など、多様な観点を持って事業全体のサステナビリティを向上させることを重視しています。そのためには、バイオマス燃料の調達パートナーであるサプライヤー※の皆さまからのご理解、連携、および協力が不可欠と考えています。

本調達方針は、バイオマス燃料の調達におけるレノバのスタンスや重視する項目、内容を明示したものであり、その実践にあたっては、サプライヤーの皆さまにも、本方針に則り持続可能な燃料供給に努めていただきたいと考えています。
※ 現地事業者、商社等を含む広義のサプライヤー

  1. 持続可能なバイオマス燃料の調達基準

    • (1)法令と社会規範の遵守

      事業活動を行う国において適用されるすべての法令、国際法令及び社会規範を遵守します。

    • (2)第三者認証の取得

      バイオマス燃料調達の持続可能性を担保するため、国際的に信頼性のある第三者認証を取得した燃料の取扱いを促進します。また、認証取得に向けた取引先との協働を推進します。

    • (3)環境面の配慮

      • 自然環境への配慮

        • 保護価値の高い森林・自然の保全

          保護価値の高い森林(HCV: High Conservation Value)、高炭素貯蔵地域(HCS: High Carbon Stock)および泥炭湿地林の転換・利用は行いません。

        • 持続可能な土地の利用

          持続可能な森林管理原則に従い、水資源の保全および適切な土壌管理により土壌肥沃度の維持・劣化防止策が講じられ、森林の炭素ストックが持続的に維持されているエリアからの調達を推進します。また、調達エリアの状況に応じ、カスケード利用の原則に従った原料調達を促進します。

        • 生態系・生物多様性の保全

          地域特有の生態系・生物多様性への影響に配慮します。

      • 気候変動の緩和

        • 温室効果ガス排出量の算定・削減努力

          サプライチェーン全体を通じたライフサイクルGHGを算定するための適切なデータを収集し、エネルギー・資源の効率的利用や再生可能エネルギーの活用等を通じたライフサイクルGHGの永続的な削減に努めます。

    • (4)社会面の配慮

      地域コミュニティへの配慮

      • 地域住民とのエンゲージメント

        新規事業を行う際は、地域住民(先住民族や土地・資源所有者を含む)の法律上及び慣習的な権利に十分配慮すると共に、当該関係者又はその代弁者との対話を通じて、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC:Free, Prior and Informed Consent)を得た上で開始します。

      • 地域の持続的発展への貢献

        地域住民の雇用や教育支援等に積極的に取り組み、地域社会・経済の持続的な発展への貢献に努めます。

    • (5)管理体制

      • トレーサビリティ・モニタリング

        サプライチェーンの透明化と調達物のトレーサビリティを確保するための仕組み、体制を構築します。それに基づき、サプライヤーを対象に、調達方針に基づいて下記の項目を書面または現地調査により確認します。

        a 法令遵守と第三者認証
        b 自然環境への配慮
        c 気候変動の緩和
        d 社会・地域コミュニティへの配慮

  2. サプライヤー・エンゲージメント

    レノバは、トレーサビリティの確保により本調達方針の実現を担保するため、以下に掲げるアクションを積極的に講じます。これらを実施することで、方針との不整合を回避し、調達活動全体を通じた持続可能性の維持・向上に努めます。万一、方針に対する明らかな違反が認められた場合には、当該サプライヤーに是正を求めるとともに、改善に向けた指導・支援を行います。

    • サプライチェーンアセスメント・モニタリング

      サプライヤーの選定・取引継続にあたっては、事業活動が環境・社会に与える影響を考慮するほか、当社のバイオマス調達方針に対する遵守状況の評価を定期的に行います。

    • サプライヤーとの対話・支援

      サプライヤーとの対話を通じて環境・社会への影響に係る取組状況を把握し、改善に向けた継続的な支援を行います。

  3. 行動目標

    • 新規サプライヤーへの本調達方針の周知を徹底します。

    • すべての調達燃料に関し、ライフサイクルGHGを算定し、定期的な開示を行います。

    • 本調達方針に係る遵守状況や、そのモニタリング結果等に関して、透明性の高い情報開示に努めます。