インタビュー 有限会社秋田グリーンサービス 代表取締役社長 佐藤 國男 様 インタビュー 有限会社秋田グリーンサービス 代表取締役社長 佐藤 國男 様


  • 佐藤社長が林業に携わってから秋田県の林業はこれまでどのような変化がありましたか?

    当初はのこぎりで挽いて馬橇で木材を切り出していました。親父が新しい物が好きで、自分が中学になったくらいでチェーンソーを購入しました。当時は振動がすごかったです。昭和44年から当時の県知事の号令で展開された年間1万ha造林運動等により、杉の植林が進みました。現在では、秋田県は杉の人工林面積で日本一となり、その当時植林した山林で育った杉の間伐が必要となっています。秋田杉はもともと建材として利用されてきましたが、外材等に押されたり、新しい素材の建材が出たりする中で、一般住宅向け資材の需要が弱まってしまいました。結果として、木材を切り出してもなかなか値がつかなくなってしまいました。

  • バイオマス発電所ができて何が変わりましたか

    バイオマス発電用の燃料となるチップの加工という新しい林業者の仕事ができました。これまで切り出してもお金にならなかったグレードの低い木材や間伐材などをお金に変えられるようになったのです。安定的にお金になる仕事ができたことによって、新しく5名ほど人を増やせました。最近では若い従業員に子供が生まれ、養う家族も増えてきています。

    これからの林業の未来についての思いは

    三重県の伊勢神宮などは、木を育て、その木を使用して20年に一度式年遷宮として建て替えをおこなっています。こうした伝統のおかげで大工の技術も継承されています。宮大工が残っているところには技術も伝わっているのです。秋田県で林業を発展させていくためには、長いスパンで木材が高く売れる加工技術や、その技術を持つ職人が後進を育てていくことが必要です。これからも若い人が秋田県で暮らしていけるような付加価値を高めるために、林業の発展に取組んで行きたいと思います。

    ※インタビューをお受けいただいた方のご所属・お役職等は、取材当時または掲載当時のものです。